北アルプス剱岳を源とする早月川は、明治時代に来日した土木技師ヨハネス・デ・レーケとともに活躍したローウェンホルスト・ムンデルが「これは川ではない、滝だ」と言わしめるほどの急流のため、古くからかんがい用水及び水力発電に利用されてきました。
かんがい用水も4月~6月の豊富な雪解け水にて恩恵を受ける反面、梅雨時期の洪水による堤防の決壊、用水取水口の破壊、7月~8月の渇水期の水不足による争いが絶えなかったことから、これらの問題解決のため、用水取水口の合口化を図るため国営早月川農業水利事業により蓑輪頭首工・導水路が整備され、続いて県営早月川沿岸用水改良事業にて各用水へ分水する幹線用水路が整備されました。
各事業により、農業生産性の向上が大きく図られる一方、土地改良区組合員は工事費の地元負担費用及び施設の維持管理費用の負担が重くのしかかることとなりました。さらに、高度経済成長の過程において農業労力は他の産業への流出により、農業体質が著しく弱体化し始めることとなりました。この事態の打開のため、土地改良区は負担の軽減方法として発電計画が持ち上がることとしました。
当初、発電事業主体が農業関連団体であること、また、既存の電力会社以外の発電計画としては規模が大きく、最大出力の規制をはじめ数々の規制が複数の省庁にまたがり、計画実行までには難航を極めることとなりました。規制緩和のため、関係省庁への交渉を何度も重ねました。偶然にも第一次石油危機による燃料費高騰による火力発電依存からの見直しによって水力発電も今一度見直され、それに伴い最大出力規制が当初の2,000kW未満から緩和される等、発電所建設の諸条件が整ったことから、昭和51年、土地改良区が出資する日本初の株式会社である「早月川電力株式会社」を設立し昭和55年には「早月発電所」の営業運転を開始いたしました。以来、当社は、水力発電事業を通じステークホルダーでもある土地改良区組合員の農業用水の維持管理費の負担軽減を図ることにより、日本の農業及び食料安全保障の一助となっていると自負しています。
また、昨今の農業を取り巻く厳しい環境に対する対応に加え、政府の温室効果ガス削減、持続可能な開発と持続可能性を持った社会の実現に向け、水力発電を通じて社会により一層貢献していく所存です。
今後とも一層のご支援を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
代表取締役社長 石坂 求
我々は水力発電事業を通じて日本の農業競争力を高めるとともに、地域・地球の一員として、
カーボンニュートラル及び持続可能な安心安全な社会の実現を目指すために行動する。
社名 | 早月川電力株式会社 Hayatsukigawa Electric Power Corporation |
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創立 | 昭和51(1976)年10月30日 |
資本金 | 5,000万円 |
代表者 | 代表取締役 石坂 求 |
株主 | 早月川沿岸土地改良区(100%) |
事業内容 | 水力発電事業及びそれにかかわる一切 |
供給先 | 北陸電力株式会社 |
事業所 | [本社] 〒936-0883 富山県滑川市野町1684番地3 [蓑輪頭首工管理事務所] 〒936-0821 富山県滑川市蓑輪343 |
所有管理設備 | 早月発電所 新早月発電所 |
会社案内パンフレット [PDF]
本社:
〒936-0883 富山県滑川市野町1684番地3
頭首工管理所:
〒936-0821 富山県滑川市蓑輪343